家づくりコラム 2009.05.11
「思わぬ出費をしてしまった」こんな思いをした人や、声を聞いたという人がたくさんいるようです。 最近でこそメディアやネット、業者からの情報でこういった思いをする人はだいぶ減ってきているようですが、まだまだ少なくなくありません。
「坪いくら」というのもこの原因の一つです。「この家坪いくら?」 「坪〇〇円でお願いします。」といった話をよく聞きます。
家をつくることを「普請(ふしん)」と呼んだその昔、普請は一部の人に限られていました。その家には出入りの大工や左官、植木職人といった各業者がいて、新築する際も建築は大工に「坪いくら」で外構は植木職人に、という具合に別々に発注していました。施主は建築工事の他にも多くの出費がかかるものと考えており多少の出費もそれほど苦ではなかったのでしょう。
時代も移り、住宅が産業と呼ばれる頃になってもなごりで「坪いくら」が一般的でしたし、今でもよく使われます。 施主の事情も変わってきて、公的融資や銀行ローンの充実で、マイホームを手に入れやすくなりました。 でも、それは余裕があっての普請ではありません。
ほとんどの人が多額の借金をしての計画です。「思わぬ出費」は日々の生活に影響を与えかねません。
そうならないためには「総事業費」という考え方をしてみてはいかがでしょうか。今度は、住まいを計画する際どんな費用がかかるのか、具体的な例を挙げながら書いてみたいと思います。
「建杜」主宰 金澤清文